DIE ETAGE

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いよいよ始まりました。学校での教師生活。
3ヶ月でマイムのクラスと卒業公演を担当するのですが、週に8クラスもあってね。
しかもそのカリキュラムが結構雑で他の先生の内容とどれくらいかぶっているのかいないのか、僕の教えることはどの範囲をやるべきかとか、全くみえないというかなり混乱した状況でのスタート。
去年オーナーの校長先生というかボス(チェコ人)とあったときに「めんどくさい人なのかな?」とは思ったのね。ちょっと厄介そうなキャラクターは何となく感じてた。しかしまあ、仕事だから引き受けるじゃん。
メールでのやり取りが上手くない人でね。コッチは英語しか出来ないよっていってんのにわざとか知らんがドイツ語のメールを送ってくる。しかもかなりブロークンの。仲人役のガビに転送して読んでもらったらチェコ語と混じってるって彼女も困っていてね。何度か彼女から直接連絡を取ってもらったりした。しかしながらクラス内容や詳しいスケジュールなんかは全く五里霧中のまま、簡単なCVと写真だけ送ってのベルリン入りとなった。
到着してすぐ学校に行き彼と話すが、授業開始を来週に控えたその時点でまだ全く時間割も決まっていないという有様。だいたいのところでいいから!と言って取りあえずの時間割を聞き出しそこからどの時間で何を教えるかを考えることに。その後も時間割が二転三転。変なドイツ語と英語が交じったメールでな。結局新学期が始まるその週になってようやっと正式な時間割をもらった。
おまけに着いてすぐに彼のクラスの代講を頼まれて「ホントは来週からなんだけど頼まれたからやります。よろしく」ってな展開に生徒も俺も微妙な空気に!そりゃ変な空気にもなるわ。来週来る予定の新任が一週間前に来ちゃってんだもん。そもそも彼のクラス内容も全然知らないし。それを代講って。何やるか聞いても「大丈夫お前に任せた」といって教えてもくんない。無茶ぶりってドイツにもあるんだ!と新人芸人のいじめのようなプレーに「俺も知らんし」ととぼけつつ乗り切る。
これは彼のキャラクターが大いに関係しているんだけど、わざと天然を装う人っているじゃん。それをもって自分を許容してもらおうとするタイプ。抜けたところをあえてみせる上司とでもいいましょうか。昔のセクハラ上司というかある種のパワハラだよな。「今日もおっぱい大きいねえ!ガハハ」「いやだ課長」ってな感じ。あれ、やってる方は親しい感じで接してると思ってんだろうけど女子からは「そうやって許容してもらおうとする魂胆」は全部見抜かれてるよね。そんな感じ。
そして彼に関しては天然でない証拠にメールに関して彼から何かいいたい時はきちんと英語で書いてくるんだよね。
そういうタイプの少しトリッキーな人なのね。周りも「全く彼のいうことをまともに聞いていると大変よ(笑)」何て苦笑いしている感じでね。コッチは外様だしそんなプレーにいきなりつきあわされても困るっちゅうねん。
これ、笑顔で受けてるとそのまま関係固まるなと思ったから「時間割を何度も変更されては困る!」「それできちんとやってくれと言われても無理だろう?」と明るく非難した。そういったプレーが全然通じないキャラでこっちも対抗ですよ。
そんなこんなで方針を固める時間もないまま新学期がスタートした。
そもそも学校で(きちんとクラスを持って)教えるのも初めてだからそれもふくめて「いろいろ混乱してるけど頑張るのでよろしく」と挨拶したのね。そしたら生徒の方がよっぽど状況を理解している様子で
「毎度そうよ」
だとさ。
取りあえずは3ヶ月間の大まかな流れを軽く説明し、クラススタート。英語は相変わらず片言ですが、こういうときダンスやマイムの都合のいいところで「ここをコッチに動かす」「ここは止める」なんて身振り手振りで何とか説明。もちろんそれだけではさすがにヤバいので帰って言い回しを調べたりまとめたり。
あとは毎日クラスを提供することでクラスのメニューをまとめ直すいい機会でもあるなあと。「マイムを」ということで引き受けたのでもちろんマイムをやるんだけどダンスと共通するワークも多いしね。
これを機にトレーニングを一連の流れにまとめたようなストラクチャーを作ってみようと思っている。
それをやれば一通りのウォームアップと基礎トレーニングができるってやつね。
生徒は素直そうな人たちでやりやすい。年齢層は20代が多いけど30代もちらほらって感じ。様々なバックグラウンドがある人たちでそういった裾野の広さはさすがにヨーロッパだなあと。それぞれに自分の動機があり自主的に学びに来ている。そんな態度というか生徒たちのありようにこちらも身が引き締まる。きちんと向かい合わねばと。