Monochrome Circusとの出会い

彼らと知り合ったのは、もう20年以上前になるだろうか。
9.11の次の年だったか、水と油でNYに行くときに、ちょうど京都のカンパニーがACCのグラント(奨学金)をとって滞在しているという話を耳に挟み、会ってみようとなったのだった。その頃はすでにメールのやり取り(Eメールって言ってましたね)も普通になっており、割とすんなり共通の知り合いを通じて彼ら、Monochrome Circusを紹介してもらい、彼らも劇場のJapan Societyに来ることになった。
本番直前の舞台上で場当たりをしていると客席に彼らが入ってきて、そこではじめまして!となり、そのまま本番を見てもらう。その後ロビーでようやくゆっくりと話をした。坂本公成さんと森裕子さんをはじめ数人いたような。坂本さん一人分のグラントでメンバーが丸ごと来てるんだよね〜なんて話も聞けて、当時すでに京都がダンス熱いらしいというのは東京にも漏れ伝わっており、そこら辺の情報も色々聞きたかったので、今みたいにSNSもなかった当時、貴重な情報交換だった。元メンバーがNYで生活しているという話も聞き、公演の後何日か延泊を予定してた自分はそこにお世話になることになる。
公演を終えて、NY郊外(確かブルックリンだったと思う)でパートナーと暮らしている「ぼうちゃん」のお家に何日か居候させていただきつつ、街を歩いたり夜は公演を見たりしていたが、劇場で出会った坂本さんから「出前ダンスをやるんだけど一緒に行かないか」と誘われる。出前ダンス?なにそれ?と聞くと「家にお呼ばれしてダンスを見せる会」とのこと。よくわからなかったけど、これも乗りかかった船とついて行くことにする。
最寄りの駅で待ち合わせたのだが、そこには坂本さんと森さんの他に、盲目の女性ダンサー、それになんと山崎広太さんもいて。当時日本から拠点をNYに移してすぐの頃だったと思うけど、日本でもかなり大きな公演を打ってた人だし(コクーンとかでやってたのを見に行ったことある)、密かに驚く。
そんな彼らについていった先は倉庫街にあるアーティスト向けの賃貸住宅のひとつだった。倉庫を改装したアトリエ兼住宅という雰囲気にヤラレつつ、ホストのアーティストカップルに促され、中に入る。倉庫らしく天井の高い間取りで中二階のようなところが寝室とのこと。ここら辺は倉庫街だからゴミの収集が大変なんて話を聞きつつ、ご飯とお酒をいただく。ひとしきり話した後に、さ、やりますか。と言って坂本さんと森さんが立ち上がった。

以下続く。


モノクロームサーカスとのダブルビルです。
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www.junjunscience.net