新春ショーケース〜A級小倉劇場

GoToトラベル中止を受けてから一旦キャンセルしたパックツアーを取り直してむかった枝光での滞在は、とても有意義なものとなった。支配人のMさんと制作のYさんをはじめとして1年ぶりのアイアンシアターは、感染対策を施した劇場と床をリノベーションした稽古場をはじめとして色々パワーアップしていた。北九州はもともと演劇の盛んな土地柄でここから巣立っていった劇団も多く、新たな世代も育ってきているらしく。そんな空気を携えつつ、コロナの中でどのように活動を続けていくかを模索している様子。
地元のダンサーや古い友人との再会もあり稽古を終えた後も楽しい時間となった。
1月3日の本番は、新年明けてすぐながら、大勢の人が集まり賑やかな会となった。短編をトークで挟みつつ、今取り組んでいる作業なども紹介した小一時間。感染対策で終演後にお客さんとの面会なしだったが、後日メールで好感触の感想をもらう。
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マチネを終えて片付けもさっくりと終えるとまだ4時前。これはと思い計画していたことを実行に移す。それはA級小倉劇場にいくこと。
昨年にこの九州最後のストリップ劇場がコロナ禍で閉めるという記事を読み、なんとか行けないかとずっと狙っていた。以前から一度ストリップを見に行きたいと思っていたのでこれ以上ないタイミング。小倉の駅に向かい駅の脇を入ってすぐのところにある。以前飛ぶ劇場の泊さんに連れていってもらった、「生ビールの自動販売機」がある居酒屋の裏あたりにA級小倉劇場はあった。ここら辺、昔の横浜西口5番街と同じ空気で懐かしい気持ちになった。
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入口は流石に撮れなかったが、きらびやかな看板は由緒正しいストリップ小屋。麻世と二人でカップル割引8000円で入場する。劇場は階段を上った2階にあり、すでにショーは始まっている。というより、昼から夜まで2時間半くらいのショーを延々回しており、いついっても基本見られる感じになっている。ショーは踊り子さん一人で30分くらいの演目が軽い休憩とポラロイド撮影会を挟みつつ進む感じ。踊り子さんショーはそれぞれ見応えがあり、ま、素っ裸になるわけですが、それだけでなく、舞台での色気も芸なんだなと思えるショーになってました。今年2021年の4月には劇場を閉じるそうで、なんとも残念ですが、稼働しているうちに間に合った。お昼にお客さんの前で踊った後に踊り子さんのショーを見るというなんとも貴重な体験でしたが、人前で何かをするというのはなんにせよ覚悟を問われるなと、素敵な踊り子さんの芸を見て改めて思った。このブログを書いているのは1月22日で緊急事態宣言が再発令された後なのですが、ほんとに谷間のような時に公演やれた。

年末年始の移動自粛とコロナ対策

枝光本町商店街アイアンシアターに稽古場利用の打診をしたのが10月の終わり。そこからとんとん拍子に話が進み劇場主催での公演もやることになり、諸々の概要が固まったあたりで、飛行機のチケットを押さえることに。ホテル付きのパックツアーで安いものが見つかる。GoToトラベルキャンペーンのツアーである。旅行代理店のサイトにはキャンペーン折込済みのツアーが並び、既に割引された価格で提示されている。文化庁の継続支援事業の追加募集が発表されたあたりでこのチケットを押さえた。劇場の近くにあるリゾートホテルながら、かなりの格安価格で飛行機代も込み。おまけに大浴場もついており、年末年始のちょっとリッチなレジデンス企画の宿泊先としては申し分ない。せっかくだしこうなりゃ年越し鉄板だ!っつー勢いで、ホテルにある鉄板焼きレストランの予約もしてしまう。あとは稽古でやるネタでもゆっくり仕込むかとタカをくくったところでコロナ感染者の増加のニュースが報じられた。
刻一刻と増えていく感染者数。移動自粛の空気。海外でもロックダウンの措置が取られる中、GoToトラベルキャンペーンの一時停止と年末年始の移動自粛要請のアナウンスが。そもそもGoTo自体がどうなのよという意見なのね個人的には。けどほとんどの代理店のサイトでは勝手に割引されてる感じだから特に気にすることもなくって感じだった。そんな段取りがひと段落したところでいきなりのニュースである。GoToの中止についてはいいとしても、年末年始の移動自粛についてはバッチリ当てはまってしまい、うろたえる。ま、そうだよね。感染者数が増加中の東京から万が一ウィルスを持って移動した挙句人の集まる劇場でクラスター発生なんてことになったら、劇場や自分の活動に影響が出かねない。政府のコロナ対策におけるグダグダさについては山ほど言いたいことがあるが、しかしながら出た決定について無視するわけにもいかない。12月14日の首相会見では「年末年始を静かに過ごすことが大事であり、特に、感染拡大が相当に進んでいる地域の皆さんは、帰省 の延期も含めて検討すべき」と決定的なことはなにひとつ言っていないが国民に汲み取ってくれ、と言わんばかりの発言で自粛を促しており、不要不急の移動を自粛してほしい旨の言葉があった。で、いまいちど考える。今回の移動は不要でないことは明白で、自分にとって重要な試みである。だって連休って年末年始しか取れないじゃん。おまけに劇場の企画でパブリックな仕事にもなっている。一応移動を伴うし公演だからと思いPCR検査の予算を組み込んでおいたので、PCR検査を受けて陰性を確認してからの移動の旨を劇場に伝えつつ、開催の可否について相談した。劇場からは、本企画の「灯プロジェクト」はコロナ対策を取った企画として継続的に行っている事業で、現状はこのまま続行との返信。そのあたりで旅行代理店からツアーキャンセルのお願いの連絡が来た。それを一旦キャンセルし新たにツアーを探している段階(先週のこと)でPCR検査の結果が来る。はたして。。。
結果は「陰性」
仮予約していたツアーを押さえ(鉄板焼きはキャンセルしました)、劇場に陰性確認済の連絡をしたのがクリスマスイブの24日。こういうことはきちんとした手順を順番に踏んでおかないと、後で何かあったときに問題が広がりやすいということを、4年間のサラリーマン生活で学んだことも大きい。お金以外に意味あったわアタシの奴隷生活も!あとWindowsPCとエクセルも使えるようになったケンネ!ビジネスレターだって書けるし、コレポンで海外に電話もかけられるケンネ!と、全体的にケンネの人になりつつ(by椎名誠)準備を整える。
創造的な空白を獲得するために、できる手を打っていくのみ。
1月3日の公演情報はこちら!
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作品と創作の間

「せっかくくるなら何かやってください」
枝光本町商店街アイアンシアターの支配人兼舞台監督のMさんからの提案でショウイングをやることになった。Mさんとは10年以上前に北九州芸術劇場で作った「迷路のつくりかた」でご一緒した地元の舞台監督で、その時は贅沢なことにリハーサル期間中ずっとスタッフがつきっきり。僕も作りながら思いついた美術や映像のアイディアをMさんに提案し、それをうまいこと段取りしていただき劇場でテストを行うなんてやりとりがとてもスムースに行ったことを覚えており、地元ダンサーとの濃密な1ヶ月を経て作った作品は僕にとってとても印象的なものとなった。
そんなMさんからの「なんかやってくださいよ!」を断れるわけがない。ありがたく「やらせてください!」と受けすんなりと流れは決まった。今上演できるフルサイズの作品はないんだけど、ちょうど先月京都で上演した演目がいくつかあり、それを軸に滞在して作業しているマテリアルを紹介するという方向で提案すると「それでいきましょう!」とレス。あれよあれよという間に話が進み、劇場主催の事業となり広報の段取りもすすんだ。このステップの軽い感じも劇場の機動力を感じさせる。楽しみだなあ。まだ作るかは決まってないけど何か出てくるだろ。グダグダになる可能性も見越してワークインプログレスの紹介とし、入場料も気軽な催しを匂わせる投げ銭制にした。
作品を作るとき、リハーサル以前の時間を持ちたいと思っているのだが、日々の生活や仕事に追われなかなかに作り出すことが難しい。結果定例稽古の時間で申し訳程度にとりかかりつつ、そのままリハーサル期間に雪崩れ込むことが多い。もっとぼんやりした時間が必要なんだよね。ちょっと違うな。ぼんやりしつつも思いつけばすぐに試せる準備がある状況というか。公演のためのリハーサルをクリエイションと称してそういう時間にしているが、デッドラインのある中での時間には限りがあり。現在は生活を共にしている麻世と二人での作業が主のため、時間のやりくりはかなり融通が効いているが、それでもそういう時間は意識的に作り出さないと生まれない。
今回試そうとしているのはそういう時間なんだよね。ここ数年参加しているジャズミュージシャンの合宿(AIR SPLASH TOYAMA)は、僕にとってそういう時間になってるんだなと気づいたのが今年。ミュージシャンとセッションできるし、他の人のセッションを見たり聞いたりもできるし。そして一人で作業する時間やスペースもあり。もちろん切羽詰まった状況で何かが生まれるってことも多々あり、そしてそういうモノが得てしてパワーを持つってのも重々承知&経験してるんだけど、もっと意図的に創造的な空白を作ってみたいと思ったんだよね。意識的にぼんやりしに行くというか。そういう時間からもしかして何か方向が見つかるかもしれないし、見つかんなくても空っぽになることが目的だから。普段の稽古やクラスでも、そして日常のあちこちに作品のかけらは落ちているのだけど、こっちがいっぱいだと何も入ってこない。強い刺激じゃなくて些細なヒントを受け止める感受性は、日々のルーティンを一度取っ払って空っぽにすることなんじゃないかと。で、それは個人的なバケーションになりうるなあと思って年末年始の時間を当てることにした。麻世に提案したら「いいじゃん、やろうよ!」と二つ返事でかえってきて改めてそんなレジデンスを実行しようと思った次第。
1月3日にはショウイング(しかも14時から)があるから、正味のところ4日間しかないんだけど、それでも勤め人と二足の草鞋のダンサーには嬉しい、まとまった稽古期間なわけ。宿泊もいろいろ手があったんだけどせっかくだしってことで近くにあるリゾートホテル(大浴場付き!)をバシッと押さえた。結果かなりの出費になったが、そこでうまいこと文化庁の継続支援事業ですよ!2月に映像作品を作る予定なのでそれも併せて事業化して申請した。ま、通るかどうかはわかんないけど、自腹になってもそれはそれ。そのために普段フルタイムで働いてるんだし。金で解決できることは金で。
続く
公演情報はこちら!
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作る以前〜リサーチのための時間が欲しい

タイトルに書いた通り。まとまった時間が何より欲しい。今年はコロナの緊急事態宣言で4月から5月末まで勤め先が休業となったので(お給料は出た!)、その時に稽古&クリエイションができればよかったのだが、世界的な緊急事態の緊迫感&稽古場も一斉に閉まっておりそんなテンションにならず。かろうじて始めたランニングが習慣となったことはとてもよかったが。
で、まとまった時間の話である。サラリーマンとなるとまとまった休みが取れる時期は限られている。芸事に関わっていることは勤め先に話しており、また、公演のたびにチラシを配っていることもあり「高橋さんはあれだから」と理解を頂いているのと、直属の上司が懐の広い人で、ある程度まとまった休みも咎められたことはない。しかしながら公演を伴わない単なる稽古にまとまった休みをとることはさすがに躊躇われるくらいに日和った芸術家になりさがっている現状、年末年始は貴重なまとまった休みなのである。
けどまた別の問題が。年末年始は年末年始であるからして、大概の公共ホールや稽古場は一斉にお休みで使えないのだ。大体28とか29日から1月3日とか4日まではガチで休み。せっかく朝から晩まで稽古やクリエイションができるぞう!と盛り上がってみても場所がないと始まらない。本格的なアーティストインレジデンスをやっている施設や団体のプログラムは1年以上前に募集が終わっており、テンポが合わず。そんななか、11月の頭に文化庁の継続支援事業の追加申請が発表された。これは地方の知り合いに声をかけて、開いている場所で滞在&稽古を事業化しやらせてもらおうと、知り合いに打診してみた。
せっかく行くなら楽しくて暖かいところ!と宮古島児童劇団をやっている友達に聞いてみる。久しぶりに会えるし一緒に稽古もできんじゃね?と。すると宮古島でもいまだにコロナで公共の稽古場が使えない状況が続いており外や駐車場で集まって稽古しているとのこと。だよねえ。あとは民間の稽古場、合宿サイトなんてのもみてみて稽古場を探してみるが、なかなか二人で稽古するちょうどいい稽古場がある合宿施設なんてないんだよね。大勢の集まりには対応してても。向こうもたった二人で来ても商売にならないだろうし。そんなこんなで探しているうちに昨年フェスティバルに呼んでもらった枝光のアイアンシアターを思い出した。昔北九州芸術劇場で「迷路のつくりかた」という作品でお世話になった舞台監督が今年から運営に関わっていることもあって相談してみた。すると「お貸しします」とすんなり快諾をいただく。なんでも会議室然としていた2階の稽古場も、床を作りリノリウムを貼った素敵なスタジオにリノベーションしたそうで、渡りに船とこれに乗っかる。よっしゃー、これでじっくり稽古とリサーチをやろうなんてほくほくしてたら、その舞台監督兼劇場支配人Mさんから「せっかく滞在するなら公演やってください」とのオファーが。
続く

京都の公演も終わり年末へ

あっという間に師走。
京都の公演も盛況に終わり、いい出会いと再会の場となった。
翌週から勤め先の仕事が爆烈に忙しくなってくる。新規の問い合わせや既存案件がバリバリと進み、納品に入札。知り合いのつてを通じていただいたダンスの案件が2件いきなり大詰めを迎えてそれにかぶさってくる。奇跡的に日程調整もうまくいき、朝家を出て10時過ぎに戻る日々。忙しいが「考える時間が欲しい」状態。ありがたいことですが。
さてさて、年末年始は北九州枝光のアイアンシアターで滞在制作&リサーチのショーケースを行うことになった。経緯をこれから書いていきます。
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バタバタと

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ずっと日記を書く暇もないほどに稽古と日常に追われ。
別件の仕事も舞い込み、かつてないほどに忙しく。ありがたい話ではあり、ありがたく仕事に向かってますが如何せん時間がない。体が二つあればいいのにとかいうクリシェも出てくるほどにはてんてこまいで。
今週末に迫った公演の追い込みもいよいよ。果たして間に合うのかというヒリヒリした思いと共に楽しみにもなってきており、共演者の不調で演目が減りそうになったりもしつつなんとか幕を開けそう。コロナ対策も万全に。
あと少しだけチケットあるそうです。迷っている方はお早めに〜。
「ダンスとごはんvol.3」じゅんじゅんSCIENCE&アミジロウ 11月27日@UrBANGUILD KYOTO
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芸術と芸能の間/揺れる自意識

大上段に構えるまでもなく、これまであらゆるジャンルで語り尽くされてきた問題。
マイムから始めて大道芸なんかもやりつつダンスに来た人間としては出自がそもそも地べたの芸能なのだからして、迷ってないでそっちやれやという話ではあるのだが、そもそも自分を売る、ということに抵抗があった。創作物というより自らを売る意味合いの強い「踊り」や「人前で何かを演じる」という芸能or上演芸術に、出る人間としてどうすり合わせするかというのは長年の葛藤でもあり。自分が作品そのものってさあ。そこまで無邪気になれねえやと思いつつ、やはりどこかで強い憧れはあって。憧れは憧れで止めておくのが大人の嗜みなんだろうけど、おそらくそこら辺の慎み深さが人より薄いもんだから、結果的に人前に自らをさらす現場に関わってるわけで。今やってるダンスはくくりでいうと芸術よりのコンテンポラリーダンスなのですが、作ってる時や見る時は関係ないんだよね、芸術かどうかなんて。ま、audience friendlyな作品が必ずしも芸能ってわけでもないし、人を拒絶するような表現がすべて芸術ってことでもない。要は何かを捕まえているかどうか、ってことや、自分に刺さったかどうかってこと。これも言われすぎてるクリシェだわね。だからして自分が作っている時も興味の赴くままに作っておるのですが、そこに自分がメディウムとして関わるとなると、自意識との葛藤が生まれてめんどくさいことになってくる。ジャズの音楽家と関わるようになって、音楽家って抽象的な表現を快楽として観客と共有できていいなあと思うようになったけど(乱暴だけど)、ボーカルはちょっと種類が違う気がする。自らが表現そのものになる度合いは楽器を弾く人よりも直接的だから。だから似たような意識が生まれていて、そういうところで共感することは多い。
ま、自分を許すことから。という、今時カウンセラーでも言わなそうなベタな言葉を傍において、作業を続ける。最近はあんまり死にたくなくなりましたけどね。それは歳とって鈍感になったからじゃないかな。ミッドライフクライシスも遥か昔に過ぎ去って。あと生活が安定してるってのも地味に重要だなと。
新作を京都で披露しますー。
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