学校公演終了
©J. Schröter
いやはやホントに大変でした。
まず、照明音響といったスタッフが一切いない。元々は誰かつけるという話だったのに聞いてみると生徒にやらせようと考えていたらしく、いや全員出てるし無理じゃんとトリッキー校長にいうと他の部門の生徒を引っ張ってきた。しかしその彼も僕らの直ぐ後に本番があり、出来るわけがない。全くアンタ状況全然わかってないなあと諦め自分でやることに決めた。しかし当然ながら音響と照明(ビデオの操作もね)を一人でこなすことは素人には無理とやってみて気付く。そりゃそうだ。音楽を出して照明と一緒に音のフェーダーを上げていくって手が三ついるじゃん。いきなりどアタマにそんなシーンでオレアホかと笑った。幸いに麻世が6月からベルリンに来ていたので彼女に照明のオペレーションをやってもらうことにして僕は音響とビデオを操作する方向で乗り切る。
©J. Schröter
照明の仕込みもひどいことになっていてね。まず前回の公演のつり込みがそのまま残っていて配線やらパッチやらを一旦全部外して吊り直しをしなければならない事態が発覚。これは知り合いのチェコ人のテクニックが手伝ってくれて大分助かったのだが、その後ゴミ箱のような段ボールから使える照明用フィルターを引っ張りだす。というような作業をなんと通常のクラス時間と学校が終わってからの放課後でやらなければならなかった!そもそも通常のカリキュラムはフツーに動いていて前日のリハーサルだっつーのに他の授業で何人かがいないってなマヌケな状況。当日も校内の小さな劇場は授業があり5時からしか入れない。いくら何でも前日と当日くらい劇場空けろよ!結果狭いスタジオで稽古を行なったんだけどみんなもテンションを保つのに一苦労。他にも前日になって「別のリハーサルが入ってて5時まで体空かない」って生徒が出てきて、また別の生徒は「このネタ、私生活と絡んでてやっぱキツいから出来ない」と言い出すしさあ。君たち。
そういうことは先に言おうね!
しかしねえ、僕もいろいろ修羅場を越えてきたんだなと思いましたよ。そんなトラブルも「まあ、しょうがないか。なんとかやってみよう」といなせるようになったもんね。大事なことは最初から過度の期待をしないってことと、別の策をコッチが用意できるかどうかなんだなと。いやオレ引き出しあったわ、結構。
何とか離陸したゲネプロを経ての本番はそれでもそれぞれ緊張感があり新人ならではのフレッシュさも手伝ってなんとか向こう岸に渡ったように思う。
終わって次の日にビデオ上映会をしみんなほとんど初めて外から作品を眺めた。ま、ビデオで見返してみたらアラはもちろんあるんだけど緊張感は伝わってきてテンションは悪くない。生徒もフツーにギャグのシーンでは爆笑してて、アンタたちご機嫌だなと思いつつもそれぞれに作品そのものを受け止めているようだった。
最後の時間はそれぞれに送った3ヶ月のフィードバックを元に個別面談。それぞれに不安を抱えつつでもどうしたらいいんだろうという思いは万国共通らしく普段見せない繊細な一面を垣間みたり。フィードバックに対する質問に答えつつ基本背中を押す。この一瞬のために3ヶ月があったのかもと思えるような本当に貴重なカウンセリングの時間となった。そして僕も改めて人に教えるということの怖さ/大きさに気付かされ、身が引き締まる思いがした。
生徒の皆さん、学校の皆様、協力していただいた方々。おつかれさまでした。
そしてご来場いただいたお客様。ありがとうございました。