MATCH / BEGÜM ERCIYAS&more

さて、今日は二本立て。
Tanz im Augustにはメインの他に入場料無料のプログラムsommer.barがある。これは短かったり若手や実験的なプログラムを日替わりで無料でやっているのな。これに知り合いが出るというので見に行った。Field Works-Office / HEINE ROSDAL AVDAL&YUKIKO SHINOZAKI/DEEPBLUEという演目。HAU2の横の劇場オフィスを使って行われるサイトスペシフィックな作品。まず受付の人に案内され二人づつ中に入る。これが入り口ね。横には劇場のレストランがある。

受付の人もダンサーが成りすましている。そして机に座らされると、一人づつプロフィールを書かされる。そしてまた奥に案内されるとPCの前に座らされる。そのPCからの映像を見ているとPCの中のスカイプが鳴る。これは多分何処かで操作しているのだろうね。そのスカイプ越しにさっき案内してくれた人が映る。ほどなくしてその人がまた実際に現れて、といったことが行われていくうちに虚実が危うくなっていくのね.映像で見ていた世界に自分が入ったような感じがしてくる。その後、別の部屋にゆるゆると案内されていくと目の前にコピー用紙に書かれたマンガが次々におかれていく。これが可愛い感じの絵でね。それがコマになっていてストーリーが展開されたり目の前で起こることが書かれていたり。こんな感じのマンガね。

なんだかこのイラストのイメージそのままの日常の中のちょっとした非日常って感じのパフォーマンスでした。実際のオフィスではホントに働いている人もいるので電話がかかって来たりすると「これは仕込みかなホントかな?」と疑う感じも面白かったよ。寺山修司のミニミニ現代版って感じかな。
最後にそれぞれイラストを渡されるのね。そこには自分が描かれている。

真ん中が僕だそうです。絵に描かれるって何ともくすぐったいよね。
実はこの振付家って昔会ったことがあってね。もう10年ぶりくらいかなあ。懐かしかったけど本番中だし、帰りがけに一言だけ言葉を交わした。
次は夜のメインプログラム。
MATCH / BEGÜM ERCIYAS
会場はPODEWIL
150〜60人くらいのこれまたちょうどいい小劇場。しかし内装は新しい感じ。始まるとマイクをつけた男性が入って来てジッと立っている。手で大きなマルを作っている。1分ほどもしただろうか。「I am a spoon.」とのたまった。次の人が入って来て腕をL字に広げ「I am a fork」とのたまう。しばらく二人で「I am a ~」「I am a ~」のたまいあう。
ここらで早くも嫌な予感がして来た。これ観客が地獄のヤツじゃねえ?そのうちに出て来た3人目は女性でそいつも「I am a philosophy」だって。結局そんな感じのジェスチャー付きで「I am a ~」ってヤツを延々やり続けて

そのまま終わった。
所要時間1時間。隣のダンサーらしきアジア人の男子君は始めっからほぼ爆睡。
よろしい。何はともあれ初志貫徹したと。見る側に「問いかける」たぐいのパフォーマンスが存在することは認める。しかし、その問いかけが果たしてどの程度有効だったかどうかはこちらで決めさせてもらうよ。お金払って観に来ているしね。
俺はつまんなかったっす。まずこれ、1時間やる必要性あんのかよ!?う〜ん、よくある頭でっかちの作品じゃん。ならもう少しアタマがよくないとな。しかもダンスのコンテクストで発表するなら、よっぽど作戦立てないと。シュールにも収まんないと思うし。ラーメンズはもっと短いぞ。しかもオチあるしな。
普通の人が頭よく見せようとして大失敗って感じの作品でしたあああ。
夜もう一本プログラムがあったがここで「気力の限界」を感じ、シッポを巻いて退散。