やりたかったこと その1

今年度の助成金を申請しなかったおかげで、今年は劇場での自主公演がないことになる。
これはドイツに行っていた時期を除くと初めてのことで、フルタイムの仕事に追われつつほぼ一般の人と同じような生活を送っている僕としては割とはっきりとした芸術的な活動の後退である。小さなカフェでやっていたシリーズもその会場だったカフェが4月で営業を辞めてしまい、定期的な公演を打てる場所がなくなってしまった。ま、映画を見ながらのんびりダンスを作っていくには悪くない環境ではあるのだが、それにしてもなんとかしないと、と考えてはいた。
そんな、困っているところに知り合いから別のカフェを紹介してもらい、連絡を取り4月の半ばにそのカフェに行ってみた。
そのカフェは、私鉄沿線の商店街沿いにある雑居ビルの屋上にあり、音楽イベントをよくやっているらしく、既に音響や簡単な照明の設備も備えており。以前やっていたカフェよりも幾分広く、作品の幅も広がりそう。「最近はダンスのイベントも増えてきました」と話してくれたオーナーの方ともすんなり打ち解ける。
「ここだったら、あれが出来るかも。」
と思い立ったのは、自分の公演ではなく、別の企画のことだった。
続く。