祭りの終わり

日曜のイベントも終わりゆっくりプールに行った。
ようやっと夏の訪れたKreizbergのプールは大勢の人で賑わっているが、広いプールが3つありのんびりと泳げる。
夜は出演者の一人、スペイン人のピアニストMiguelがガビの家にきて一緒に食事。チキンを買ってきて料理を振る舞ってくれた。

彼は毎年夏に2ヶ月だけベルリンに滞在して音楽家としての人生を生きているという人。随分のんびりとしたキャラクターの彼で、真っ当な生活が送れているのか不思議だったのだがだがひとたび社会情勢の話になるときっちりと自分の意見を語る。社会心理学っぽい話になりフロイトの名前が彼から出たときは正直驚いた。
ええとね、見た目と雰囲気はぶっちゃけ「カンベちゃん」みたいな人なんですよ。何かハンディキャップがあるのかなと思ったくらいで。
しかし2ヶ月休みってスペインではどんな仕事してんの?と聞くと平日は子供たちにピアノを教えていて休日は結婚式場でウェイターをしていると。結婚式場は夏休めるの?と聞くと毎年10月から翌年7月までの契約になっていて夏は二月あくような契約になっているとのこと。日本だとそんな仕事ないなあというと逆に「夏休みはどうしてるの?」と聞かれる。「仕事をしている人は夏は1週間休めればいい方かなあ。冬もそれくらいね」と答えると「一週間って何も出来ないじゃん!毎年?」と驚かれる。そうね、多くの日本人は大体そんな生活を送ってるよね。というと「そしたらNo Lifeじゃん!」とごもっともな返答。僕は「日本人はそれが異常だって気付いてないんだよ。そもそも海外に行ったことのある人も少ないし、行ったとしても短期間では他の国の暮らしを見ることもないからね。」
「奴隷じゃん」と彼。「まさに」と答える。
そこから日本の年間自殺者の話になった。「え、年間3000人?」と聞き返したので「3万人!」(3thousandではなく30thousandだよ)と念を押す。彼は驚愕の表情を浮かべている。「希望がないから死ぬんだろうか」と彼が神妙な面持ちで聞いて来る。「理由はそれぞれだと思うけど、多くの日本人は働きすぎで労働の奴隷になっている。家族と過ごす時間や自分の人生を考える時間もヨーロッパの基準と比べると十分に取れていない気がする。」と僕なりの感想を述べる。
そして「ほぼ毎週のように電車に飛び込む自殺者がいて東京の電車はよく止まるんだよ」というとついには言葉をなくしていた。そこからブラック企業と呼ばれる会社の話をしようかと思ったが彼から見たら日本が丸ごとブラック企業なんだろうなと思い、話すのを止めた。日本では政治の話題が大変な時期だが、全てはより良い暮らしや人生のためであって「何が人生か」を考えること、そしてそのための材料や情報を手に入れることもおそらく政治なのだろう。