公演は続く

月曜の夜に本番というのは初めてなのではないだろうか?祝日公演はあったがだいたいマチネだしな。週の初めの空気がビンビンに漂う本番となった。作品はこういった空気をも経て熟成されていくのだろう。未来を見据えつつ今日を生きる感じとでもいうか、今をくぐり抜けるイメージとでもいうか。
ダンスが面白いって一体何よ、という問いから始まっているこの作品。神澤和夫と邦正美(調べてね)の諸著作を教科書のように改めて読み直すことから始め、それを再検討し自分の作業を見つめ直し、稽古に臨んだ。創作舞踊において、およそ振付けという分野で突き当たっている地平は昔から変わらずそれを知ることが出来ただけでも救われた気がしたお二方の著書は常に傍らにおいている。日本人がいかに踊りを作るべきかという点においても先人の知恵は存在する。生半可に新しいと思っている時点で勉強不足ってなわけで。
本作のダンサーである森井淳は近畿大学で直接神澤先生の薫陶を受けた一人。年末に彼の家で神澤先生の振付け作品のビデオ(超レア!!!)を見せてもらい、かなり興奮したのな。おおいに参考になった。(しかしこういう映像こそアーカイブ化してもらえんかね?)ま、当たり前ですが僕とテイストは全く違いますよ。けど信じたことをとことんやるのだという僕の気合いを後押ししてくれたことは確か。
カルピスの原液を更に煮詰めたような、箸が立つような濃さの「問いかけ」を一体どれだけの人が楽しめるのか、とんと分らないが、それも若さ故の「大人な作品」ということなのだろう。
前のめりなのはいつものこと。
そういえば日曜に大橋也寸先生がいらしてくれたのもありがたかった。森井の先生で(彼いい人に教わっているね。)パリのルコックで「教えて」いた人。正直ちょっと怖かったんだけどいい感想をもらいました。詳しくは内緒。