クラスにて


授業再開。
2週間空いただけで英語が出てこない。日本でもクラスで教えている時はよく言葉がでなくなることがあるんだけど。右とか左とか。これは動く時の脳と言葉の脳が別の場所にあるからなのだろうか?と勝手に考えているが、とにかくそれ以外にもちょっと休むと英語が消えてしまう。軽くへこむけどボチボチやっていくしかない。ダンスとマイムのクラスを持っているが特に困るのがマイムのクラス。ダンスの用語って結構共通しているしダンスクラスはベルリンで受けていたので使われる用語も何となく頭にはいっているけどマイムの言葉がようわからん。日本の用語をそのまま訳しても伝わらんし。結局見せて「これね」といって進めている。で、帰って検索ですよ。
マイムの授業としては基礎的なエクササイズとテクニックの紹介及び練習をやっている。初心者と1〜2年目の生徒が混じった状態のためあまり急がずに、と思いやっているがそれにしても習得するのは時間がかかる。マイムって「型」の芸術なのでその世界観を体に入れて喋るように動けるにはあるていどの時間はどうしてもかかるし。そこら辺は伝統芸能と一緒。僕も結果的に5、6年やってたしなあ。みんながんばってくれい。
面白い発見もあって。
休み明けに出していた課題を一人一人発表してもらった。出した課題は「テクニックを使って5分の作品を作る。」「テーマは何でも可」
正直あまり期待していなかったが、それぞれに興味深い作品を作ってきた。みんなきちんとストーリーがあってキャラクターがはっきりしている。それは4月から始めた人もみんなそうで、驚いた。きっちり「立つ」ことが出来ている。もちろんテクニック自体はおぼつかないのですが、それに伴う時間感覚(間のことね)はほぼ把握していて。そしてシンプルな筋立てを迷いなくやっている姿勢に素直に感動した。
僕が習っていた時はとにかく人前に立つことがとても恥ずかしかったし、そのような思いを抱えている他の生徒も少なからずいたのね。マイムのパフォーマーとして人前に立つってことはマイムの語り口を身につけた「有段者」にならないととてもじゃないけど難しいなあと思ってた。普通と違う人格にならないとって。そしてマイムでストーリーを語ることがとにかく難しかった。自分に合うちょうどいい語り口と筋立てを見つけるのにずいぶん苦労したことを覚えている。
でもこの生徒たちを見て、舞台に「立つ」ことへの迷いが感じられなかったのよ。もちろんそれがやりたくてきているんだから当たり前だろうと思うけれど、普通はなかなかそうはいかんのよ。でもみんなホントに「普通に」立っていてね。自意識の問題とも関係あるかもしれんけど、それよりもこっちの生活様式やコミュニケーションのあり方なんかがマイムの世界に近いからかもね。というよりそういった生活から生み出された様式なのでしょうね。
歌舞伎が日本の生活から生み出され洗練していったものだけど、日本人がいきなり歌舞伎のまねをしても欧米の人がやるより様になったりするでしょ。そういった文化的な違いかなと。
見終わってコメントしながらふと「釈迦に説法」てな感じになってんじゃねえの?とビビったけど。