クリエイション


三ヶ月で作品を作り発表するプロジェクトとして行なっている授業だが、学校のクラスでもあるため毎日のトレーニングや課題を設定しつつのクリエイションでもあって苦労がつきまとう。作品を作るだけでもなかなかにしんどいのだがそれに加えてほぼ半数の生徒が全くの初心者で、ま、だからこそ学校に入って習っているんだけど、それゆえに「舞台作品のクリエイション」との相性が悪く難儀である。おまけに学校からは「テクニックを使った作品を」と言われていて二重の大変さが。
とにかくカリキュラムが乱暴でね。本来ならばマイムの初心者はひたすらテクニックと古典作品のコピーをやるべきなんだけど、こっちとしてはただ「かべ」をやったところで「作品」にはならないからさ。それでもお決まりのテクニックを何とか作品として構成できないか考えたけれど、そもそも僕自身がコテコテのマイムに興味がないため(もちろん勉強としては大事だと思うけど)それをやらせるのもなあと足踏みしている。だもんで古典的なテクニックはおいといて、別の幾つかのアイディアを紹介しながら自分たちで作れるようにも促しつつ作業を進めている。そもそものテクニックは他のクラス(マイムの先生は僕を含めて3人)でもやっているわけで今さら僕がやんなくてもいいだろうとたかをくくり。
始まって一ヶ月を過ぎこっちの嗜好もなんとなくわかってきたようでなんとかエッセンスをものにしようと各自もがいている。大人っぽく見えるけれどまだ20歳そこそこの生徒もいて、そうかまだこれからなんだなあ、なんて思ったりもしつつ。
コテコテのマイムではない感じをどっからか嗅ぎ付けてダンスの生徒が入り込んできている。曰く、重なっている授業を全部僕のクラスに振替えるとのことでいつもニコニコしながらクラスに混じっており、それがいい雰囲気をもたらしてくれている。助かるなあ。