茅野のCMつくっちゃおう!〜音楽家編

ここまで決まるとあとは音楽である。フラッシュモブもあるし、そもそもCMとして広く流す為にはここはぜひともオリジナルの音で固めたいところである。10月に劇場のディレクター、マネージャー、広報や舞台関係の劇場側スタッフとファシリテイターの柏木さんらを前に今回のCM企画についてのミーティングがあった。劇場ディレクターは辻野さんという方で何故かみんなからは社長と呼ばれている。おそらく劇場の指定管理会社の社長という意味合いだと思うんだけど、詳細はわからず。しかし僕もいつも「社長!」と歌舞伎か落語のような感じで呼んでいる。理想を追い求めつつ地に足をつけて日々運営を行っておりその着実な歩みはなんだか弟子になりたいくらいである。
そのミーティングでは企画概要の改めての確認と今回のCM企画の趣旨説明等を行った。上手い具合に劇場のディレクター辻野社長から質問があった。「フラッシュモブの音はどうされますか?」今だ!思った僕は「著作権のこともあるしこれからの使用を考えるとオリジナルがいいですよね?」とさりげなく水を向けた。辻野社長は「そうですね!ぜひ!」と願ったりかなったりの返答。社長がGOサインを出しておる。「よし!」と思い一気にまくしたてる。
「実は一人是非お願いしたい方がおりまして。山中透さんという音楽家です。僕はもう4年くらい作品の音を作っていただいているのですが、舞台と音楽のことをとにかく良く知っている方でいつも助けてもらっています。実はもとダムタイプというパフォーマンスグループの音楽を担当されていて80〜90年代世界を股にかけて大活躍されたグループでしてそこでずっと音楽を作っていらっしゃいました。今回のCM企画も彼の音楽があると一段とグレードアップすると思うので是非手伝ってもらいたいのですね。で、その為の追加予算を出来ればご検討いただけると大変に助かるのですが、、、」とお伺いを立てると、、、。
「山中君でしょ!知ってるよ!」
え?
「山中君でしょ?だってダムタイプアメリカツアー一緒に行ったもん。懐かしいなあ。久しぶりだよ会うの!」
思い出した。そうだ、社長って昔青山のスパイラルホールの技術統括やってたんだった。そしてダムタイプは京都が本拠地なのだけれど東京で公演やるときはいつもスパイラルホールで公演していたのだった。その流れでツアーの音楽家とスタッフという関係で僕よりもずっと前に出会って仕事をされていたのだった。
ええええ!社長!知ってるなら知ってるって言って下さいよ!
僕を始めスタッフもみんな惚け顔。意外な繋がりにびっくりしているなか、一人ニヤニヤしていた辻野ディレクターであった。