ゼロ・グラビティ
ようやっと見た。
土曜に渋谷の映画館に行ったのだがなんと満席で入れない。満席で入れないって初めてかもなあ。上映館が少なくなってきたのでということなんだろうけど。出直して今日新宿のピカデリーに向かった。
オープニングの驚異的な長回しにブラボー。もうどうやって撮影してんのかとか考える気も失せるほどの「体験」となった。そして3Dの意味があると初めて思えた映画。宇宙飛行士になったよ。そのための3Dだったなと。個人的には『プライベート・ライアン』のオープニングを超えたと思った。それくらいの衝撃だった。しかもワンカットよ。10分以上あったと思う。
昔よく自分のワークショップでビデオレクチャーを行ない、この監督の前作『トゥモロー・ワールド』の長回しや『ER』の手術シーンなんかを見せてそれがいかにアンサンブルとして優れているか、参考になるかを熱く語っていたけど、今回はカメラがもう縦横無尽にぐるぐる回るし!しかもそのワンカットが主観映像にもなる。普通の実写じゃまず撮れないアングルだしそもそも繋がらん。こんなこと思いつかんかった。押井守の「全ての映画はアニメになる」って言葉を思い出したよ。こういうことかと。
21世紀になってリュミエール兄弟の機関車は宇宙飛行士になったんだなあと勝手に感慨深かった。
その後のストーリーは正直どうでもよくて、展開自体は『アポロ13』の方が全然手に汗握る面白さなんだけど、でもさ、ホントにどうでもいい。「あきらめるな」とか「生きろ」とかそういうことでまとまってんのもご愛嬌ですよ、もはやこうなると。
映画の進化を見たよ。これはDVDじゃあ色あせるよなあ。来週からまたベルリンなんだけどその前にもう一回行けるかなあ。
いやあ、元気でた。