「ダンス と ごはん」じゅんじゅんSCIENCE&アミジロウ ダンス小作品集


毎年恒例の京都冬の陣。ジロウから「今年もよろしく」と打診があり「了解」返す御馴染みのやりとりでことは決まった。東京でやっているNoteの演目とアミジロウのソロ作品のカップリング公演はそんなこんなで4年目。いやあ、続いてるなあ。これもひとえに企画を立ち上げまとめ、人の手配も行いあげく舞台で踊るアミジロウ御大の八面六臂な活躍の賜物であらせられる。、、、、、、と持ち上げるのはこれくらいにして。
夏前の電話ミーティングでは「いや〜今年は作品のストックないんですよね〜これから作るんですけどまだなんにも」とジロウからのぼんやりした報告を受ける。「呼びたい人は決まってるんですけど〜、その人を呼ぶとなるとこちらもきちんとしたものを作らないと〜」ともはや身内のこちらに相談以前の投げかけをしてくるプロデューサー兼ダンサージロウ。「お互いのビデオを見せ合うとかどうよ?」「それいいっすね〜基本一人で稽古してるんで、詰まった時に相談相手がいないんすよね〜」「ではやってみんべか」「それを今年の柱にしてもいいかもですね」「企画のね」「往復書簡ってサブタイトルはどうですか?」「お、それでいこう」と話がついたが、肝心の公演タイトルは決まらずというか、前回の「アソート」を引き継ぐ感じもなかったので、そのまま泳がせていた。その後チラシのやりとりなどしているうちにジロウからこんなタイトルいかがでしょう?とメールが入る。
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じゅんじゅん様
お疲れ様です。
今回のタイトルですが、ネコと話してて「ダンス と ごはん」でどうだろうとなりました。シンプルにイベントを表していて潔いなと思っています。あと敷居は高くなさそう。
アミジロウ
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をを!ファイナルアンサーでた!
あ、ネコというのはネコザポンティという今回のご飯を担当してくれる役者ですね。いきなり本質を突くタイトルで「勝負あった」感が漂う。そもそもは食べたり飲んだりしながら気軽にダンスを見てもらい、その後の話に華が咲けばという思いで始めた企画だし、ご飯はこの企画に外せないものになっているのね。よくダンス公演とかで初日乾杯とかあるじゃん。あれって関係者だけでやる傾向が強かったのね。僕がそういうのやってもらってた頃はさ。でもそれってなんか変じゃね?と思ってた。一番の主役は観客じゃん。観客のための場でしょ、劇場って。もちろんお酒やおつまみもタダじゃないから振る舞うにも限界があるし、まずはお世話になった劇場関係者やスタッフのための乾杯ってのはわかるんだけどさ。でもこのいい空気は観客にこそ味わってもらえたらもっと劇場が身近なものになるんじゃないかなとぼんやりと思ってたのでした。それが具体的なきっかけとなるのはとある公演を見た時だったんだけど。。。その2に続く。


あ、公演の情報はこちらです。来週の週末は京都で会いましょう!
じゅんじゅんSCIENCE & アミジロウ ダンス小作品集「ダンス と ごはん」
東京を拠点に国内外で活動する じゅんじゅんSCIENCE が小作品集「NOTE」シリーズを今年も京都にて上演!演劇とダンスの間でひらりと踊り続ける男・アミジロウとの合同パフォーマンス。ゲストには多数の舞台に引っ張りだこ、自身のユニットにソロと精力的に活動する益田さち。「ごはん」には好きが高じて食品衛生管理者の資格まで取得したダンサーのネコ ザ ポンティ。ダンスを観て、美味しい食事とお酒とお喋りを楽しむ、そんな会です。

★日時
11月30日(金)19:30
12月 1日(土)19:30
受付開始・開場は開演の30分前
席数に限りがありますので、事前のご予約をお勧めします。

★ワークショップ(WS)開催!
11月29日(木) 19:00〜21:00 (定員10名)
毎回大好評の高橋淳WS。日々の動きにイメージを加えることで
ダンスを掘り起こしていきます。ダンス経験は問いません。
身体を動かす事に興味がある方なら誰でもご参加いただけます。

★会場
White Cloud Kyoto
(京都市中京区三文字225朝陽ビル2F)
地下鉄 烏丸御池駅 5出口より徒歩4分
阪急烏丸駅、地下鉄四条駅 18番出口より徒歩8分
会場に駐車、駐輪場はございません。予めご了承ください。
会場へはこちらのブログをご参照ください。

地下鉄・烏丸御池駅から。
http://amijirokikaku.seesaa.net/article/462336893.html
阪急・烏丸駅、地下鉄・四条駅から。
http://amijirokikaku.seesaa.net/article/462336549.html

★ダンス
高橋淳 久井麻世 (じゅんじゅんSCIENCE)
益田さち
アミジロウ

★ごはん
ネコ ザ ポンティ

★料金
前売 2000円/当日 2500円 (1ドリンク付)
WSとセット3500円
WSのみ 2000円
(2杯目及びごはんは別途料金がかかります)

★ご予約
件名を「チケット予約」として「お名前、ご希望公演日、チケット枚数」を
明記の上、下記アドレスにメールにてご予約下さい。WS参加申し込みも
同アドレスで受け付けます。
ご質問などもお気軽にどうぞ!

アミジロウ企画
jirometabo@gmail.com
http://amijirokikaku.seesaa.net

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NOTE-じゅんじゅんSCIENCEダンス小作品集〜本番

音ファイルの編集を終え、朝ストレッチおよび通し稽古を近所の稽古場で行なった後、今回の会場となるカフェムリウイへ15時頃向かう。カフェオーナーのTさんと音響照明の打ち合わせをし会場作りへ。このTさんという方がここの責任者なのだが、「簡単な音響照明だったらやりますよ」とのことで全面的に甘えることに。そのご会場作りに取り掛かる。ここでもTさんのいうがままにテーブルをよせ、椅子を並べしているうちに、かわいいひな壇ができる。テーブルとベンチがうまいことひな壇になるわけである。をを!素晴らしい。おまけに、専用の椅子には手作りのクッションをかぶせ、その椅子の脇にドリンクホルダーまで取り付ける!ドリンクホルダーのある客席って普通劇場にはないよ!カフェならではの工夫&発想に楽しくなってくる。「自分で作るの楽しいんですよ」と、これらは全てTさんのアイディアとのこと。ここではよく音楽家のライブなんかもやっていて去年あたりからダンスの企画もやり始めたとのことで、もともとミュージシャンか舞台関係の人なのかなと思っていたら「ずっとカフェと飲食関係ですね」だと。ううむ、それにしては色々知っているし、手慣れているなあ。「ここで色々ライブとかやるうちに学んでいったんですよね」と肩の力の抜けた感じで話してくれる。客席が決まり、次に舞台に。リノもあるけどどうします〜?と軽くいう。おまけに床が硬いので下に敷くクッションもありますよ〜とのこと。なんて至れり尽くせりなんだ!色々試行錯誤した挙句リノ直引きとはなったが、それにしてもこの場所でダンスをやるにおいて、一通り以上のものがすでに揃っているっちゅうのは、本当に貴重な場所だなあ。ダンスの人がどんどん集まって来ると思うぞ、っていうかすでに割と人気のスペースになっているしね。
照明も決め、すんなりと場当たり&軽通し。そんなあたりで開場の時間が近づき、Tさんはするっとカウンターの中に入りドリンクの準備へ。良い天気の夕暮れに包まれたあたりでポツポツとお客さんが上がって来る。会場はビルの屋上になるのでそこまで階段を上がって来るのだが、出迎えるカフェがすでにして幻想的で屋上劇場!って感じ「ラピュタはあったんだ!」てなもんで。そんな様子はこちら。

するすると時間になり、お客さんがドリンクを手にした状態で客席に座り、つまみを配り、チラシを渡し、舞台に上がる。で、本番へ。会場を移し新規一転となった新生NOTEは無事に発進。懐かしい知り合いも数多く来てくれて賑やかな一夜となった。ご来場くださった皆様、ありがとうございました。そして八面六臂の活躍で会をバックアップしてくださったTさん、本当にありがとうございました!

朝から晩まで

朝から稽古。1日外にいる予定のため、自転車をやめてバスで稽古場に向かう。厚めの仕切りで仕切られてはいるが、隣の声の聞こえる稽古場でひたすらリハーサル。粗方できた部分を通しつつ、流れを見る。まだまだ見えていないところが多く、一度バラして組み直したりも。あっという間にお昼になり一旦終了。池袋へ移動。久しぶりのお店に入り、その後お気に入りのコーヒー屋さんにいき、日替わりコーヒーで一息。チモール産。電車で祖師ヶ谷大蔵へ移動。以前ブログ(その1)(その2)(その3)に書いた、10月6日にやる「齋藤さんを偲ぶ会」の下見兼打ち合わせに向かう。駅について少し余裕があることに気づき、先日発見した超絶美味しいパン屋へ。ミッシュがあった!それとナッツぎっしりのパンを買い込み会場のカフェムリウイへ。お店でしばらく待っていると参加者が集まる。今日はこじんまり。中でいろいろMTG。やりたいことも具体的になりつつあり。こうしてクラスのみんなに会うのも久しぶりで、懐かしい会話に花が咲く。お子さんを連れた方もいてそれぞれ時間を経てきたことを感じつつ。夕方に解散し駅に向かう。そのまま夜の稽古会場へ。その頃に雨がガッツリ降ってくる。6時過ぎから稽古再開。雨の降る中稽古は進む。トライアル&エラーは続く。ギリギリだが、腰を据えての作業にどれだけ耐えられるかの勝負。夜9時半に稽古終了。夜ご飯用の買い物を軽くして帰途につく。家の近くの稽古場のため歩いて帰れるありがたさ。明日も稽古。お時間ありましたら是非。この歳になっても発見は尽きず、それが本番で観客に、いくばくかでも届きますように、なんて殊勝な気持ちでお待ちしております。
Note-じゅんじゅんSCIENCEダンス小作品集-
9月15日(土)19:30〜
会場:カフェムリウイ小田急祖師ヶ谷大蔵駅徒歩7分
チケット:2000円(ドリンク別)
詳細情報
じゅんじゅんSCIENCE
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二足の草鞋

本番を控えて、連日リハーサルではあるのだが、1日フルに仕事を終えてからの稽古は、この歴史的な猛暑の中、大変にしんどい。一応デスクワークが中心の営業&海外コレポンのため、このクソ暑い日中ほぼ外に出ずに済んでおり誠にありがたいが、それでも夕方にはそれなりにへばっており、会社を出て稽古場に着く頃には、1日のエネルギーを使い果たした状態でしばらくストレッチと称しつつ床に寝っ転がってぼんやりしてからアップを始める感じ。年齢相応に無駄なお肉もしっかりついて、そんな体をよっこらしょと持ち上げての稽古である。もうなんでやってんだろ?と思いかけるが、それも業よのう、、、と一瞬黄昏る。が、しかし!でもやるんだよ!(by根本敬)の精神で創作の時間を繰り広げる
今取り組んでいる作品は正直あまり得意なパターンではないため、とにかく時間がかかっている。おまけに毎日リハーサル時間の正味はごくわずかである。完全に計算が違っているのだが、これも歳をとったせいか、焦りや力みが減ってきて「最善を尽くすのみ」と開きなおりで1歩1歩牛歩戦術で臨んでいる。いやね、やっていることは面白くて、楽しいんだけどね。いかんせんリーマン掛け持ちってなかなかに厳しいよねえ。
あ、愚痴ってる暇あったら映像チェックして寝ます〜。明日も仕事だ〜。
本番は9月15日(土)の19:30〜です。
Note-じゅんじゅんSCIENCEダンス小作品集-
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Note-じゅんじゅんSCIENCEダンス小作品集-


1年ぶりのデュオ公演です
今年は助成金の申請をしなかったため、小規模なNoteシリーズを動かそうと思っていた矢先の4月に、Noteでいつも使っていたカフェが閉店するとの連絡を受ける。正確には閉店ではなく、カフェの営業を閉じてギャラリーのみ稼働するとのことで、なんとかやれなくはなかったのだが、いつも大変にお世話になっていたカフェの方がいないとあって、ドリンクを出す場合自分たちで色々と仕込まなくてはならなくなり、それでは、ということで他の会場を当たりはじめた。知り合いからいくつか紹介された場所をまわり、世田谷にちょうどいいカフェを見つけそこで開催することに決定したのが今年の5月だったのだが、その辺りと前後して右膝の痛みがひどくなってくる。以前から調子が悪いと感じることはあったが僕自身は痛みや疲れは腰に来るほうで、膝はそんなに気になったことはなかったのね。しかしですよ。寄る年波は勝てず、3月くらいから深刻に痛みだし、一時は歩くのもやっとなコンディションで稽古も全くできない日々が続いていた。曲げると膝の内側が痛む感じ。通っていた近所の整骨院が全く当てにならず、もういいやと自らマッサージをし、ゆっくり歩くところから稽古を再開。7月くらいからようやっと動けるようになってきて、クリエイションに取り掛かっているところです。そんな中、連日のこの暑さですよ。仕事を終えて稽古場に着くとそれだけで一仕事終えたような疲労が。そこからよっこいしょとストレッチを始めどうにか準備ができると正味のリハ時間は2時間がいいところで。おまけに今取り掛かっている作品が、一つ一つ動きを積み重ねるタイプの作品で、作業自体は楽しくて充実しているのですが、何せ時間足りないなあと。一旦は本番をずらそうかとも思ったのですが、カフェ側にも日程を開けてもらっている手前そういうわけにもいかず、なんとか間に合うように頑張っているところです。いやね、リハーサル自体は本当に充実してて、こんなに稽古の映像を見返すこともなかったくらいに高めのモチベーションで臨んでおります。
暑すぎた夏を振り返りつつのひとときに、どうぞ、おつきあいいただけましたら。

公演詳細
Note-じゅんじゅんSCIENCEダンス小作品集-
振付・出演 高橋淳 久井麻世
日時:2018年9月15日(土)19:30〜 (開場は30分前)
開場:カフェムリウイ小田急祖師ヶ谷大蔵駅徒歩5分
チケット:2000円(ドリンク別)
主催:じゅんじゅんSCIENCE
Facebook特設ページ
じゅんじゅんSCIENCEウェブサイト
お問合せ・ご予約:info.junjunscience@gmail.com]

郡山出張

暑い日が続く。
ほぼ空梅雨の6月を終えてすぐに真夏のような暑さの続く7月となった。そして西日本の豪雨。知り合いの家も床上浸水となったり非難したりを聞き、その後の片付けをこの拷問のような暑さの中行うことに胸が痛む。言ってる自分も暑い中毎日仕事にいくわけで、本当にあまりに暑い日は仕事を休みにしてもらえないかなと、お気楽サラリーマン丸出しの発言も出る始末。
そんな中、先週は郡山に仕事で出張。丸一日訪問先で作業を終えた後、郡山の駅前に戻り、色街とでもいうようなネオン街を抜けた先にあるホテルに向かう。こういうネオン街って必ず大きな街にはあるよね。大きな通りの一本隣とか、少し離れたエリアなんかに固まっていて。どこも怪しい町並みと、昼間は必ず酒屋さんの車がいて、夜は黒いベンツが止まっているのも一緒。そんな通りの少し先にあるホテルに荷物を置き、街に出る。「郡山は盆地」などど聞いていた割には東京より確実に涼しく、街を吹く風も優しく気持ち良い。しばらくぶりに復活したスマホで色々調べると、古い町並みが残っている通りが駅前にありそこに向かう。小さいアーケード街を抜けていくと、いきなり発見する映画の看板。完全に時代が止まっている。一瞬レトロ喫茶の装飾かな?と思うが、貼ってあるポスターを見ると今公開中の新作ばかり。

テアトルなんて呼び名も今は懐かしいって感じだが、これ現役の映画館だよな?ガッツリ昭和な看板の佇まいにちょっと不安になってくる。その斜め向かいに古びた飲み屋を発見する。暖簾がかかっており入り口のドアを開け放した感じでここも映画のセットのようなビンテージ感の溢れる雰囲気に入るのを躊躇するが、せっかく来たんだしと思い切って入ってみる。
中はカウンターと奥に座敷の作りで、すでに何組かの先客あり。カウンターも年季ものならば、奥の棚も黒ずんでいる上に年代物の小物箪笥がしつらえてあって、時代がわからない。店内の照明も薄暗く、これが東京ならば「雰囲気いいねえ」となるのだが、戦前のアセチレンランプのような趣で(知りませんけど)エアコンが効いているんだかいないんだか、入り口のドアを開け放した状態で奥から風が吹き込み、怪しい雰囲気満載ながら居心地は悪くない。カウンターではこれまた年季ものの二人の女性が切り盛りしていて、こちらが店内メニューを探していると、おそらく親子なのだろう、その娘さんと思しき方から「探しても何にもないよ」とそっけない口調でからかわれる。追っかけ「ビールと焼酎、日本酒しかないけど、どれにする?」とつっけんどんに言われ、これもこの店における一種のプレイなのだろう、「じゃ生ビールを」と乗っかる。「はいよ」とそっけなく生ビールを渡されるが、「これも」と白菜の小鉢も渡され、一応お客として扱われているらしいことにほっとし、冷たいビールをゆっくり飲む。ややあって炭火の前のお母さんから「すぐに出来るのは煮込み」とこれまた乱暴に言われるがままに煮込みを注文する。しかし本当に時代が止まっている場所だなあ。最近東京でも、新しいところよりも古くからやっている定食屋やレストランなんかの、時代に乗っかっていない感じというか、世の流れと距離を置いている感じがとても気に入って、通っている店が何軒かあるのだが、それと同種の匂いを感じる。お店の価値ってぶっちゃけそれだよね。そこらへん骨董品やビンテージと同じで積み重ねたり過ぎ去った時間の大きさが魅力となっているというか。で、そういうところって大抵どこも美味しい。このお店もなんだかそんな価値を知ってかしらずか保っているような感じがする。つっけんどんな応対もスタイルなのよ。それを楽しめる余裕が出てきたってことは、こちらもガッツリおじさんになったってことだけど、そんな価値を味わえるんだから、歳をとるのも存外悪くない。出てきた煮込みは上にネギが散らしてあり、小鉢ながら山盛りで、仕事終わりにもってこいの味だった。なんだか映画の中に入ったような気分で煮込みをつまみつつ、ビールを飲み、その後焼き鳥を2本焼いてもらう。この焼き鳥がまたすごくて、お母さんが目の前の炭火で焼いてくれるのだが、豪快にうちわで扇ぐもんだから、火の粉が店の中に舞い上がる!家の中で焚き火!しかも食ってる目の前で!それをよけつつビールを流し込んでいるうちに、もう逆に楽しくなってくる。僕らはこのお店のエキストラで、店のスタイルに従って楽しく飲むのがトーン&マナー。そうと来ればおかわりを頼むタイミングもアトラクションで、うまいこと「はいよ!」と声をいただけるかどうかもゲームのうちで。なんだか楽しくなりつつ、様子をみつつお代わりを頼み、さっきの映画の看板を思い出し、ニヤニヤしつつ小一時間ほど過ごす。後からお客さんも続々やってきて、この店が地元の人に愛されていることを感じたあたりで娘さんの方に声をかけ、二千円渡してお釣りをもらい店を出る。夜の涼しい風に吹かれつつ、夜道を歩く心持ちはすっかり昭和のお父さんのごとく。