コロナ外出自粛2日目

朝のNHKラジオ(FM)はあくまでも爽やかで現実との乖離を感じるテンション。この後に及んでスポーツのコーナーいるか?緊急事態という緊張感が1ミリも感じられない。日記がわりのブログを書きランニング。積読で置いてあった本を片付ける。
「革命とサブカル安彦良和(言視舎:2200円+税)
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ガンダムのキャラクターデザイン(アムロとかシャアを描いた人)で名前を知られている彼が実は全共闘世代でバリバリの活動家だったことは全く知らなかった。平野啓一郎twitterで知り購入。以前安彦氏のインタビューをどこかで読んだときは、アニメ業界でのルサンチマンがたまっている人だなあという印象だった。自分は敗者であるという意識のとても強い人。だもんで言葉のはしはしに嫌味やenvyを感じてしまい、個人的には印象があまり良くなかった。そんな彼が実は活動家だったなんてちょっと驚き。
弘前大学全共闘で活動した彼が、安田講堂に立て篭もった同期の友人や当時の活動家との対談した内容が前半で、後半はあの時代と今を繋ぐ彼の論考。この論考が大変興味深かった。乱暴にまとめると、彼は連合赤軍浅間山荘事件が運動のピークだと認識していて、そこからガラッと運動時代が衰退していったと。そしてカウンター的な政治運動はそのまま盛り上がることなく今に至っているがその間を繋ぐのがサブカルではないかという趣旨。そして彼の天皇論にまで至る。一つの時代を生きてきた、そしてアニメ業界のど真ん中を文字通り生き抜いてきた彼の変遷というか、現場で何を考えてきたかというなかなかに読ませる内容。彼の屈折した語り口が、自分は日の当たる人間ではないという謙虚な人柄から来ているのかもと思わせると同時に、見えないところで深く思考を続けている人がいるんだなと。当時の様子はもちろん僕も知らないし前後関係がよくわからないことも多いのだが、山本直樹「レッド」で取材に来た話とか、成田闘争(若い人は知らないかもなあ)で管制塔に突入した学生の話とか歴史の証人なエピソードもいろいろ。
翻って、緊急事態宣言が出ている今は、政治がかなり生活に影響している臨界点でもあるわけで。そして政治が国民の声によって動いている瞬間でもあって。この緊急事態宣言に伴う自粛要請へ給付が出るでないというところから曲がりなりにも30万円給付とかっていう話なってきたわけで。最初は和牛商品券だったんだから。サイレントマジョリティだった声がネットやSNSでかなり出始めているし、自民党は2009年に野党に下野して以来ネットリサーチやビッグデータを詳細に検証しているから、そういった声ももちろん汲み取ってる結果このような動きが出ていると思う。そういう意味では大変に貴重な機会を生きているとも言えるわけで、きっちり見届けておきたい。