公演

動員が厳しいらしい。
そもそもが2年ぶりの公演だし、一週間以上に渡るロングラン故なのだが、震災後の舞台どころじゃないんだ、という空気は未だそこはかとなく漂っているようでもあり、そもそも「じゅんじゅんSCIENCEの観客」なるものが単独で存在するのかという疑問はあるのだが。おまけにわずか1年の海外生活とはいえ11月に帰国以後、気持ちの上ではウラシマ太郎状態が続いており、それもまた動員の様子が掴めないことに拍車をかけている。過去の作品を観てもういいや、という観客の存在は厳しく受け止めるべきだろう。見たい舞台を見たいわけだし僕自身強制されて見るなんてまっぴらゴメンだから。舞台は一期一会で一度つまんなかったらふつうは行かないよな、金まで払って。
ただそれ、何を作るべきかってこととは全く関係ないんだよな。当たり前だけど。
今回の作品はダンスって何だろう。という疑問からスタートしている。ダンスを見るってどういうことなんだろう、ダンスが面白いってどういうことなんだろうと。
そこに向かって愚直に、まさに愚直に作業を進めてきた。時に「生真面目」と言われたりもする。ダンサーにも「じゅんじゅん真面目やねえ」なんて呆れられたり。しかし、クソがつくくらい生真面目でないとたどり着けない場所があるってことを信じてやっており。それは今回一緒にやっているダンサーも同じで。だからこそ今回の作業が特別なものになっているわけね。それはダンサーを始めスタッフに本当に感謝よ。
僕の気持ちの変化もある。ドイツでの研修を経て変わったことなのかは分らないが、作ることを恥じなくなったね。以前は作るときに全て見えていないと不安だったのよ。しかし、なかなかそんな状態にはならんのでいつも「どうしよう」と不安だったのな。作る資格あんのかな、と。
けど、全てが分ってから作るわけじゃねえじゃん。あとその部分で自分をジャッジするべきでもない。迷っている暇があったらとにかく作ることに向かいもがくべきで。自分の興味を常識的に判断しすぎると逆に何も出来なくなってしまうからな。
最近そんな開き直りの境地に達してきた。分らないこと自体は恥ずかしいことではなく、それを分りたいためにやっているのだから。という作り手としては至極当然な態度な。しかしサービス業でもある舞台という興業の世界でその疑問に向かっていくことは当然ながらタイムリミットがあるわけで、分らなくてもその時点での考えをまとめなければならない。ここがまあ、厳しいところではあるのだな。しかし思考はずーっと続いているのですよ。
だもんで、できれば、点ではなく、線で見てほしいと言う思いが強くある。
今回確実にいくつかの発見と思考の変遷があり、それは多くの人に問いかけたい。答えはないけど問いはあるのよ。そりゃもう切実に。そんなに簡単に答えが出てたまるかという怒りにも似た気持ちも抱えつつ。けど、決して興味を持ってきてくれた観客をぶん殴る(あくまで比喩よ)ようなことはしませんから。
要するに観に来て下さいね!というぶっちゃけたお願いなのでした!
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1日のみのアフタートークも決定致しました!ゲストは気鋭のダンス研究家・ドラマトゥルクの中島奈那子さんです。