福岡ダンスフリンジフェスティバルの本番である。
僕らのグループはCで土曜の夜の回。土曜は3回本番があるという強行スケジュール。昨日金曜にダンサー達は無事に福岡へ到着。雪がちらついておりちょっと心配だったのだ。夕方から劇場でリハーサル主に照明を決めて通す。全体的にリラックスしておりあがりも悪くない。このまま行ってくれれば大丈夫と安心する。その後は別会場で行われているフリンジの前夜祭というかオープニングパーティへ。こういう雰囲気は本当にこのフェスティバル独特で昨年参加して一番びっくりしたこと。連れてきたダンサーも驚きつつ楽しんでおり他のグループとも話が弾みフェスティバルへの空気は嫌が応にも盛り上がる。明けて土曜は朝10時に集合し全員で顔合わせ。一組づつ紹介を受ける。このフェスティバルで特徴的なのはスタッフが盛り上がっていること。
マイク片手に仕切りも堂に入った主催チームのYさん。
そこからそれぞれの回のGPへ。今回僕は出演しないので自分の回の他作品もすべて見られそうなので楽しみである。
始まったそれぞれのゲネプロは舞踏ありモダンありヒップホップあり儀式っぽいのありと多岐にわたっていた。それぞれに見応えも十分で勢いのある作品が並ぶ。間に本番を挟みつつなので(それぞれの本番の前にゲネがあり出演者の僕らはそのゲネを見させてもらうという段取り)お昼を食べて休憩しつつ夜の回へ備える。といってもここまでくると僕のやることは特になくてみんなの付き添いって感じなんだけど。
夕方になり僕らの回のゲネプロが始まる。他の作品も見つつなので僕も緊張も高まる。4組いる中で僕らの出番は3番目。始まって照明のトラブルがありバタバタと舞台に上がるダンサー。そのまま始まるがどうにも重いというかカタイ。モッタリしたテンポのまま最後までいってしまう。おお、昨日と全然違うじゃん、、、。と冷や汗が出てくる。楽屋に顔を出しダンサーに印象を伝える。「空気重かった」「テンポ遅いかも」などなど。ダンサーも薄々感じていたようで僕が以前にもっと落ち着いて!といったことを念頭にやったとのこと。ああ仕方ないところもあるなあ。今回の作品は特にテンポ感が繊細でありそのコントロールがとても難しいのね。音楽に合わせているわけではないし、バラバラのことを一緒にやって結果リズムが見えてくる作りになってるので。ダンサーへ「とにかく間違えてもいいから気楽にやってよ」「テンポだけ気にして」と伝えて「あとは任せた!」と楽屋を出る。ああ、あとは祈るのみなんだよね〜。こういうの体に悪いわ。胃にくる。バタバタしているうちに本番が始まる。1日三つ本番があるので夜の最後の回は8時30分からスタートである。土曜とはいえ日本ではなかなかに深いスタートである。お客さんは8割くらいかなあ。1番目の演目のソロ作品からスタート。2番目は中国のカンパニーでトリオである。それぞれにゲネの時よりも明らかに熱が上がっており流石の出来である。ああ、うちのとこは大丈夫かなあ。頑張って楽しんでくれようと親心もここに極まれり。
山中さんの音に乗せて始まった「街角」はゲネの時よりも軽いテンポでありながら集中力もあり全体に良い出来だったと思う。音のタイミングもはまって勢いも出てくる。しかしながら見ているこっちは全く気が抜けずアゴラでの初演より緊張していた。照明が暗転となり、カーテンコールを迎え、次の作品が始まってからようやっと全身に力が入っていたことに気づく。ああ、体に悪いなあ(実はこの後ホッとしたのか体にいろいろ異変が出て困った)
終演後は見にきてくれていた知り合いに挨拶を。昨年持ってきた「Note」と比べて話す人も多く、全く別のスタイルの作品を持ってこれたことは良かったなあと感じる。楽屋に行きダンサーに今日の出来を伝える。街に出て内々の打ち上げを。是非連れて行きたかった「とりかわ」の店へ。お目当ての店は予約が取れなったので近くの別の店だったが。
終わってホッとしたダンサー達と穏やかに盛り上がる。