リハーサル最終日〜ありがとうココキタ

北区の稽古場施設、ココキタでの稽古も最終日。あっという間のひと月だった。いま落ち着いて作品を作ろうとすると固定メンバーを持っていない僕はこういった公演事業を軸に作品を作る方法でないとスケジュールや予算組も難しいのだが、公演と作品制作って相反する要素に満ちていて。じっくり取り組んで色々探したいのよね、本来。それには発表を前提としない集まりを設ける必要があるんだけど、それはダンサーのモチベーションを維持するのがこれまた難しく。かといって一人でコツコツ出来るかっていうと、僕は見て作る方だから集団のパワーとダイナミクスは一人や二人ではとても出てこないもので、こちらの創作意欲をずいずいとかきたて、やりたいこともどんどん出て来る。絵を描くようにアトリエにこもって作りたい気分が強い僕にとって何とも悩ましいところ。
今回短い期間ながら落ち着いてクリエイションに集中出来たのもこの施設があってのこと。こういった廃校を使った稽古場施設はマジで必要。区民センターとかを利用している大多数の団体は演劇だったりダンスだったりしているわけで、区によっては肩身の狭い思いをしてタイル張りの会議室で裸足で稽古している状況を考えるとホントになんだかなあと。そんな会議室で、一体いくらするんだよ?というような立派なカラオケセットが装備されているのを見ると「だったらiPhone用のジャックぐらいおいとけや!」と憎まれ口も叩きたくなる。
それくらい稽古場って大切な場所なのですがおろそかにされていてね。都内でこのサイズの場所を儲かるわけでもない文化活動に費やすのは大いなる無駄だと思いますけど、じゃあ何の為に生きてるのさと問い返したくなる。グランドで野球とかサッカーやるのと同じなのよ。創作活動そのものに目的があるの。その状況を確保する為に「売れないと厳しいんだな〜」とか思うわけで目的と手段が別の意味で逆転してるのよ。こっちは。だって売れないと満足に稽古も出来ないってそれおかしいだろう?ビギナーほど、ヘタッピほど稽古しなきゃ!でしょ?なにも整った稽古場でなくてもいいのよ。だから児童が減って廃校になった学校を改装した稽古場施設が区に一つか二つずつあってもいいんじゃない?と考えるわけです。
今回ホントに落ち着いて作業が出来たココキタに大感謝でございます。ちょっと(いや大分)駅から遠いのもご愛嬌です。雰囲気もいいし、利用者も様々でちょっとベルリンのTheaterhausに似てるんだよね。バンド用のスタジオもあって高校生が頑張ってる様子が微かに聞こえてきて微笑ましいし。かと思うと隣で子供バレエのクラスをやってたりね。こちらもみんなでアップしてたら外からじーっと眺めてる人がいてあんまりじーっと見てるので声かけたら「舞踏の稽古をやってるんですけど見てたら超楽しそうで!参加したいなーって思いました。何やってるんですか?」と聞かれチラシを渡したりも。
そんな異種交流が生まれる余地もあるんだよね。
ココキタ。ありがとうございました!

あ、作品はヤバいです!まじで。
じゅんじゅんSCIENCE 新作ダンス 「街角」@こまばアゴラ劇場
9月29(木)〜10月2日(日)
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