昼から稽古出来るのはなんと贅沢なことだろうと今さらながらに思うが、それが当たり前のときは何にも考えなかったなあ。
リハーサルも中盤でいい具合にダンサーもほぐれておりアイディアも出て来る。動きのアイディアって些細なことであるが故にそれを出したり捕まえたりするのは肥沃な大地といいますか、ダンサーが心身ともに耕されていることが重要。少しのキッカケで身体がふわっと動き出すことも。
今日もざらっと流れを決めていったのだが悪くないにしても少し収まりがちになっており。「流れは見つつ、好きにやってみようか」というと途端に身体が自由になりだす。こういうときの精神と身体は本当にリンクしていて予想を超えた動きがボンボン出て来る。で、そっちの方が全然面白い。こういうときに「振付」のアホらしさを感じる。もちろん振付けを自分のものとして踊ることもダンサーの仕事なんだけど、「こうあるべき」を無理矢理求めることのかた苦しさは今までのクリエイションで何度も味わっていてそこをどのように越えていくかが僕の課題なのでしょうね。時としてプレッシャーをかけることは必要なのだろうけど、それはそれぞれの「気づき」を促すところまでしか出来ない。そして変化はゆっくり訪れる。
集団と動きの関係にフォーカスしているのだがそれは以前から(水と油の頃から)ずっと掘り下げていることでもあり。大学のときに社会学で「社会実在論と社会唯名論」という話がとても印象に残ってて。簡単にいうと社会っていうのはただ名付けられたものか、それとも社会は実体として存在するのかってな話なんだけど「実体としての社会」というイメージが僕の中でとても面白かったんだよね。そしてその中でもがくなり同調するなりという「個と群れ」の関係性は常に社会の中で生きるということとどこかでリンクしていて。
ま、そんな難しい話は一切抜きにして、ただただ見続けられるダンス作品とは何ぞや?とダンサーと共に創作に励んでおります。で、その試みはかなり良いところまで来ていると思う。
是非是非ご覧頂きたく劇場でお待ちしております。あまりおおっぴらにいえないのだけれど、わかる人にはわかるように書くといつものFIND形式導入!で楽しくご覧頂けます!なんだかわからない人も是非いらして下さい。
きっと楽しいと思います。
じゅんじゅんSCIENCE新作ダンス公演「街角」
9月29日(木)〜10月2日(日)こまばアゴラ劇場
公演詳細
Facebook特設ページ