可児WS

多文化共生プロジェクトで再び。
演出家に誘われて作品に参加することになったのだが、ドキュメンタリー形式の作品ということでダンスのWSもほぼダンス未経験の参加者の様子を見ながら後々使いそうな動きやモチーフを紹介しておく。会場の部屋は両側に窓があり風通しがとても良くあいにくの雨ながらとても気分が良い。サイズ以上の開放感が作業にもたらす影響は小さくなく。
夜はお願いしていた取材ということでブラジル人コミュニティでパーティに案内してもらう。車で土岐市という町まで行った。
それが実はカトリックの教会でのクリスチャンのお祭りらしいのだが、教会がブラジル人仕様というかなんというか。古い建物をそのまま使っている。


もうなんだか入り口から既にブラジル直輸入の香りが漂ってくる。いわゆるヨーロッパ風の教会のイメージを何となく想像していたのだが。話によるとつぶれたパチンコ屋を教会にしているところもあるみたいで。
パーティと言えばBBQらしく、もうもうと煙を上げて肉を焼いておる。

中に入るとなんというか、子供がいっぱいいて縁日のように的当てや金魚釣りなんてのもやってた。その中を大人は座って食べたりしている。

われわれも早速ご飯を食べることにした。肉の他にはピザやマッシュポテトのようなものもあった。

お肉は思ったほど堅くなくおいしかったけど、量が多くてね。日本人なら一本食べたらお腹いっぱいじゃないかな。そしてさすがに教会のお祭りということでお酒は無し。ジュース片手に肉を食うのは切ないもんよ!正直ビールあればなあと思ったけどさ。
その合間に高校生くらいの女の子がここの宗教について解説してくれた。ここはカトリックの中でもwikipedia:スピリティズムという宗派らしい。ブラジルでもマイナーらしいんだけど、中の人は感じのいい人が多く、健康的な感じだった。ちょっとモルモン教に近いのかなとも思ったけど。
奥の部屋でダンスが始まった。礼拝堂らしいんだけど普通の会議室ってな感じよ。そこで老若男女がヒャーッと気勢を上げダンスが始まった。

ホントにお祭りだなあ。面白いのは中学生くらいの子も男女で楽しく組んで踊っているのな。男の子は若干照れつつもまあ、踊っているわけよ。可愛かったよ。最後はオレも輪に入りましたよ。
しかし、ここ、一体どこだよ!というような異世界が広がっていて、軽いカルチャーショックでしたね。在日ブラジル人も次の世代が生まれたりしているので、すでにそれぞれの社会が根付いているのだなと感じさせられた。
ここに来る前に可児市国際交流協会に挨拶に行き、フリーペーパーをいくつかもらってきたのだけど、そこで行き交っている情報も当然ながら在日ブラジル人の需要に向けたものばかりでその肌触りの違いが印象的だった。

今回見学させてもらってものすごく興味深かったんだけど、期せずして自分の中に「失われゆく日本」に対しての思いを発見したりして驚いた。普段そんなこと考えたりしないのにね。どちらかというと心情左翼的なスタンスでしたし。古き良き日本なんてのはそれこそ「三丁目の夕日」みたいな映画の中だけのものになっていくのかもしれないなと。そしてこういう環境で育っている人たちはこういう風景こそが原風景になっていくのだろうなとも。
もちろんこの場所一つで何かを判断するのは良くないけど、何にせよホットな現在として垣間みれたのはとても良かった。エリオさんありがとうございました。