MIKROKOSMOS

ROSAS週間のラストはミクロコスモス。

初期の代表作ですね。あのスカートめくってパンツ見せるヤツね。これ、世界中でパクられたと思う。日本のPVでも見かけたような。
そういえば今話題のビヨンセパクリ疑惑のそのさなかにROSAS鑑賞という、どうかと思うタイミングではあるけど。
作品自体はとてもキュートな振付けで、美しい流れに満ちた素晴らしい公演でした。
バルトークの生演奏をバックに女子4人が黒いシンプルなワンピースで踊る本作はその当時大ヒットしたと聞きます。僕はギリギリ初来日を見逃した世代ですが、たしか日本のCMにこのダンスで出演していたのを覚えている。ちゃんとクレジットもROSASって入ってたと思う。
今回の公演はEARLY WORKSと題してFASE、ROSAS danst ROSAS、ELENA'S ARIAそして本作の計4本でしたが、今日が一番充実していたかも。
実をいうと、最初の3本はケースマイケル本人が出ていたのですが、彼女が一番弱かったと感じたのな。意外でしたけど。単純にやる気がないというか、今更昔の作品に出演ってことで照れがあったのか分らんけれども。往年の歌手が昔のヒット曲をちょっと違った節回しで歌うあの感じ(分る?)が出ていてなんでだろう?と思った。ソロの振付けも結構変わって(変えて?)いたし。ミニマルって淡々と繰り返すから面白いのに。
ROZASの振付けって特に初期は個人のキャラクターで踊るというよりもう少し抽象的だと思うんだけど(女性としてのイメージは振付けに存分に含まれていますが)、そのニュートラルな振付けをキャラクターで踊ってしまっている気がして彼女の踊り方、というか舞台の立ち方が振付けそのものをスポイルしていると思った。コレは全く個人的な印象なのだけれど。
今日は出演するのかな?さすがに往年のメンバーのパンツ見せはキツいぞ、と思っていたら今日は彼女を始め初演のメンバーは出ていなかった。若いダンサーが踊っていたのね。
おそらく若い頃に本作のビデオを見て憧れた世代かもしれない。うれしくて楽しくて、そしてその振付けが素晴らしくて、踊っているうちに気持ちが高揚しながらもストイックに時間を紡いでいくその様子に観客も強く魅了されていったよ。スカートの巻き付く感じもよく考えられていてね。白いパンツがちらっと見えるたびにこちらも「ふふっ」って笑ってしまう。若い女性が踊って一番栄える振付けというか、振付けに何ともいえないキャラクターが埋め込まれている。上手いこと出来ているなと。
終演後のロビーではあちこちで振りをまねしている人が。みんな楽しそうでそれも印象的だった。知り合いと劇場のバーで一杯引っ掛ける。家具の修復をやっている彼女は、生まれ変わったらダンサーになるわ!と夢見る乙女になっておりました。