招待作品

様々な国からカンパニーが来ていた。
ドイツを始めとして、スイス、ポーランドギリシャスウェーデン、イラン、イラク、他。
その中でも特に面白かったのが、イラク、バクダッドのカンパニー。
野外でのパフォーマンスで民主主義をテーマにした、と言えばお固い感じだが、全くそうではなかった。
時間になると会場に数台の車が入ってくる。そこから男たちが一人一人降りてくる。見つめあいながら、牽制しあいながら。そしてプラスチックの椅子を使って陣地取りを始めるのな。それが国取りゲームの様相を呈してくる。クルドイラクの微妙な関係を思い起こさずにはいられない感じのちょっとピリッとする展開に観客も息をのむ。そこにきれいな女性が入ってきて、男たちは途端にアピール合戦。太鼓を叩いたり、服を自慢したり。いつの間にかユーモラスな空気が流れて、、、といった感じのセリフのほとんどないフィジカルなパフォーマンスは僕らを圧倒した。とにかく立っている男たちの存在感が凄い。特にスターらしき人がいる風にも見えず、しかしそれぞれ一様に鍛え上げられていて立ち振る舞いから緊張感がみなぎっている。男の切なさとユーモラスさそしてやるせなさをない交ぜにしつつも明るいオーラに満ちた作品で、終わったとたんブラボー!素晴らしかったですね。
後日演出家のHaythamと少し話した。
聞けばもうバグダッドで長く活動しているとの事。パフォーマーは毎日7〜8時間もトレーニング&リハーサルにいそしんでいるらしい。プロとして活動しているかどうか聞かなかったが、かなり活動歴もありそう。DV8を思い出したので見た事があるか聞いたが、知らないとのこと。う〜ん、世界は広いなあ。そして才能に地域って関係ないなと。「君の作品で使っていたあの曲は何?」と聞かれたので予備のCDをプレゼントする。
来年参加するフェスティバルでも出会うので、その時また、と再会を誓う。