YUVAL PICK

ブログも毎日書かないとおいつかないよ。
出来るだけ見ようと思っているTanz im Augustですが全部見ようとすると、毎日2本は当たり前で、なんだか疲れそうだったので、全部は見てません。チラシの写真を見て良さそうなものを中心にピックアップしてます。あと明らかに好みに合わなそうなものは最初から外してますね。例えば
○a○a○aとか。
今日の作品はScore / THE GUESTS COMPANY/YUVAL PICK
イスラエル振付家で今度マギー・マランのところの振付センターで、マギーマランの跡を継いで(マギー・マランといえば何年か前に見た「拍手は食べられない」が忘れられない。ほとんど音のない中を男女8人くらいが淡々と走ったりコンタクトをしたりという地味ーな作品でしたが、ものすごい衝撃を受けた。終わって知り合いが「全然わかんない」といってたのもこれまた衝撃)芸術監督に就任するとのこと。ほう、そうですか。期待しましょう。
会場はPODEWIL。
ごく薄いグレーのTシャツに紺のパンツをはいた男性二人、女性一人が出てくる。出てくるなり3人でコンタクトをし始める。2対1の組み替えとかではなくて3人ががっちり組み合っているやつね。上に乗ったり振り回したりと、かなりアクロバティックな動きも取り入れている。こういうコンタクトのフレーズって作るの時間かかるんだよなあ。やっている方も汗をかいて来て顔が赤くなってくる。見ているコッチもそのエネルギーに押され「むむっ」ってなってくる。よく見ているうちに2分くらいの流れを繰り返していることが分かってくる。ややあって男性のソロになる。他の二人は舞台の脇で汗を拭いている。この男性のソロが良かった。これ見よがしなテクニックは一切見せず、腕を前に出す、飛び上がる、蹴り上げるといった単純な動きの組み合わせながら、ひたむきでエネルギーがあって、一心に踊っている。何かを「表現」しようなんてこれっぽっちも表に見えない。わりと小柄(といっても170センチ以上はあるかなあ?)なところもキュートに見えてね。あ、3人とも「ダンスやってますけど何か?」ってな感じでなく、ごく普通の雰囲気でね。特に男性二人は町中で歩いている人を連れてきましたってな感じ。しかしどことなく品がある。育ちは悪くない感じ。「いいじゃない、あのコたち♡」ってなもんよ。
その後他の二人のガッチリ系のコンタクトに移り、それぞれのソロを挟みつつも基本的には3人でのコンタクトで押していった。シーンの合間には舞台脇で着替えたり水を飲んだりと、ちょっとスポーツっぽいのな。あ、テイストは違うけどダウンタウンのネタで実業団選手権大会ってあったじゃん?アレを思い出した。
全体的に「がんばっているなあ」という印象でした。決して悪い意味ではなくてね。身体を良く使っているし、色々工夫も見える。例えば3人のコンタクトのキーフレーズ。最初は同じ服だったのだけど後半は全員違う服に着替えてやるのね。女性はスカートはいてね。そうすると同じ振りでも印象が変わるのよ。衣装の色もいい感じでした。
ま、すべての作品は何かに対する問いかけであり、批評であるわけですが、何をいいたいかは分からずともその姿勢に共感する、ということもあるのですね。
動くからだは「強い」な、と改めて思った公演でした。