TANZ IM AUGUST

始まった。
http://www.tanzimaugust.de

チケット購入が基本劇場受付か電話予約のみのため(あとで見たらチケットのページではなく、プログラムのページから買えることが判明。わかりづらいなあ。)会場に足を運ぶ。20以上の演目があるのにセットチケットやパスなどのチケットは一切無し。以前はあったと聞いたが。しかし上手いこと語学学校の学生証で学生割引(15€から10€に)になった。ま、どっちにしても日本と比べたら圧倒的に安いんだけどね。あと観客層も幅広い。みんな残業とかなさそうだし。終わって一杯飲みながら話し込む安いパブもそこら中にある。ダンスにお客が来ているという状況にも色々要因があるのだなと思う。

さて、今日の演目はDance/Lucinda Childs Dance Company
大きく出たなって感じのタイトルだが、そこはまあ、70年代アメリカのモダンダンスのビッグネームだしおとなしく拝見しましょうと。
何でも79年の作品の再演とのことで当時のビデオと混ぜ込んだ舞台になっていた。前面に斜幕をおいてそこに映像を映し込み奥でダンサーが踊るって感じね。映像と舞台のダンサーはほぼシンクロ。だもんで昔のMTVを見ているような感じとでも言いましょうか、80年代の安いミュージックビデオのエフェクトのような感じとでも言いましょうか。ダンスそのものはクラシックをベースにした感じでひたすら同じフレーズの繰り返しね。ダンスクラスの稽古シークエンスっぽいイメージ。いわゆるミニマルだけど(音もフィリップ・グラスだし)動きの流れ自体はあるのだけど、しかし、ぜーんぶ同じだったなあ。ミニマルってさあ、音楽もそうだけど、繰り返しに耐えうるフレーズかどうか、ってのがまずあるよね。何でも繰り返せばいいってもんじゃないし。もちろん30年前の作品ってことを加味する必要はあると思うけどね。しかしローザスって上手いよなあと改めて思ったよ。まあこれらの人たちの影響下にローザスがいるのは当然の前提として。
終わって、ロビーでアフタートーク
若手の批評家が受け手になって振付家に話を聞くスタイルだが、割とすぐに質疑応答に入る。すかさず何人かから質問が出る。作り手も観客ともに互いに対するリスペクトがありつつもフラット。こういうところは素晴らしいなあと思った。しかし個人的には振付家が質問から微妙に的を外した答えをしているところが何ともと思った。態度としての自信を崩さないところとかまさにアメリカ人的。あとちょっと「先生」っぽい。僕も質問したのよ。「この30年でダンスを取り巻く環境はどのように変わったと思いますか?」と。しかし、上手いこと英語で伝えきれず(あ、言い忘れてたけどアフタートークはすべて英語でした。)、本作における昔と今の反応の違いとか何とかそんな話に流れた。もっと一般的なことをあなたはどう見るのか、を聞きたかったのだけど。その他にも今と昔のダンサーの身体の違いなどについて興味深い質問が出たのだが、それもかわされた感あり。
全体的にアフタートークも含めて「歴史の授業」という印象の公演でしたあああ!すみませんぶっちゃけてしまって。オレお勉強モードになると途端に態度が悪くなるのよ!歴史とか成績悪かったしさあ。しかし、こういう「一応見ておかないと」というのも気軽に(安く)見られるのはありがたいです。ホントに。