お見舞い行脚
渡航までひと月を切り、そろそろ慌ただしくなってきている。
鹿児島にいる母方の祖母が2年ほど前から寝たきりになっておるのだが、母親に「行く前に会っておいて」と言われていた。ホントは福岡公演のあとにそのまま鹿児島に向かう予定だったのだが、こっちでの仕事も立て込んでいて、調整つかず結局なんと日帰りでお見舞いにいくことに。
行きは安い便をネットで取ったのだが、これがなんと神戸でトランジットする便。一旦神戸で降ろされ、30分くらいしてまた乗り込む。安い理由はこれね。国内トランジットは初だったよ。
空港には叔母が迎えにきてくれていてそのまま病院に。母が定期的に看病に来ているのだが、叔母は看病疲れもある様子。やや愚痴っぽい口調をただ受け止める。
「顔見てもわからんかもよ。」と言われつつそれなりに覚悟して病室に。母(長女)のこともわからず「奥さん」と呼んだりするらしい。
さてばあちゃんに会うと、かなり小さくなっておりこちらが誰だかもよく分かってない様子。人が来たことはわかるらしいが。何度か「じゅんが来たよ」と話しかけ、昔遊んでもらったことなどを話しかける。
しばらくして突然「おや?」という顔になり「何故お前が」というように目を大きく開けた。ようやっと頭の中でつながったようでこちらもうれしくなる。同室のおばあちゃん連中は「よかったよう」と大泣き。
時間になりばあちゃんをぎゅっと抱きしめる。帰ってきてまた会えることを祈りつつ。
夕方に東京に着きその足で吉祥寺のデザイナー宅に。春に倒れて以来ちょこちょこ様子を見に行っているのだが経過は良好らしく、ベルを押すとすぐに出てきた。顔色もいい。何より元気。聞けば毎朝井の頭公園を走っているそうな。
以前から話していた手打ちパスタを披露。粉をまき散らしつつの奮闘は盛り上がる。夜更けまで馬鹿話を中心に。
ばたばたと慌ただしかったが、行ってよかった。少し気持ちが落ち着いてきたよ。