オーディション

近代美術館の作品のオーディション。60名近い人が集まった。これは僕の作品、というより、美術館でのクリエイションという企画に興味を示しての人数なのだと解釈。努々浮かれぬよう自らを戒めつつ。
最初書類でしぼろうかと考えたが、結局全員に来てもらう。急遽2回に分けて見ることに。
受ける側はもちろんだが見るこちらもかなりの緊張。オーディションでやることもかなり迷った末のメニューを組む。
それぞれの身体やキャラクターを見せてもらい、ますます迷う結果に。途中で一回仕切り、心を鬼にし半分程度に絞ったのだが、選考結果を発表する時は参加者の顔を見れなかった。「演出家は畳の上では死ねない」という言葉がよぎる。
二次では主にパートナリングやコンタクトなど。テーマを与え作業の様子を見る。これを昼から夜にかけて二回。しかし時間ないな。やりたいメニューの半分もこなせなかったような。
コンタクトなどは、思ったよりこなせる人が少ない。経験はあってもジャムのレベルだったり、本格的なパートナリングはやったことがない人なども多い。もちろんその中でもポテンシャルのある人は何人かいて、こちらのアドバイスに敏感に反応することが出来る人はいた。この緊張を強いる時間の中ですばらしいと思う。立場を越えて尊敬。
一次で落とした人の中でも「クラスに来てもらえたら細かくアドバイスできるのに。もっと伸びるのに」と思える人は多く。しかし「自分も創作の現場から教わってきたんだよな」という思いはあり。歯がゆい。それぞれ創作の現場で成長していける素材が集まってくれたと思う。教育者の視線と作り手の思いの狭間でゆれたのが本音。

終わってすぐにエントリーシートを見ながら最終の選考に。

参加してくれた皆様、本当にありがとうございました。