月曜日のクラスは短いシークエンスをやることが多いのだけど、一つ一つの動きをどう説明していくか、が、なかなか難しい。というより、何が起こっているかを他者に理解させ、受け渡すのが。昨日は足が頭を上をこえるいわゆる「オーバー」が振りに入っていてそれが結構参加者には難易度高、って感じだった。
便利なダンス用語で「シェア(共有)する」というのがあるが、まさに限られた時間で動きやその質感、各ワークにおけるねらいをシェアするのはこちらの技術(身体的な、というよりそれを言語化する技術)がかなり要求されると同時に参加者のスキルも求められる。しかし、こういったオープンクラスにおいてはまさにそういったスキルを向上させることそのものが目的なわけで、どのような階段を設定するかや、何をどの順番で提供していくかに、毎回頭を悩ませている。あ、スキルと言っても単なるテクニック、という話ではなく、そういう未知のものに挑む際の姿勢とかも含めてことね。昔よくWSに参加したときとかに、全然説明もフィードバックもしないタイプの講師がいて、ま、そいういうのも一つのスタイルだとは思うけど、僕は何がどう動いているのかを自分でも理解したいのよね。力線なんてのは明確に見て解るものだけではないし、起こっていることと現れの関係は本人でも意識してないことがある。だから出来る限り説明しようと努力してる。
何かで見かけたけど、「近道はないが最短距離はある」ってのがあって、クラスにおける自分のステートメントにしてる。
ある程度ダンスを既に勉強してきた人には改めて説明するようなことではないものも多いのだが、しかしそういうものこそ改めて人に伝えることはとても難しい。勿論、動いてみてナンボ、のモノなのでとにかくやってみることが第一なのだが、にしても、ああ、そうとらえるのか、とか、思わぬところで誤解が生じていたりして、こちらも気づきの連続。
何かを習得するには一定の時間がかかること、特に身体に関することは継続的な刺激が必要なこと、そして同じアドバイスでも身体の状態が変わると素直に反応すること、など、収穫が多く、というより、あんまこういうことを考えてこなかったなあ、と改めて反省しつつ、自分の作業に活かしている。